<プレイバック part.7>

VOL.31 「Miracle Love」 牧瀬里穂 (H3.10.30) <PC>
作詞・曲:竹内まりや/編曲:小林武史

VOL.29で触れた広末涼子のデビュー曲を聴いた感想は明るいモータウンにした
「ファースト・デイト」といったとこでしょうか。まあ広末涼子に興味がないので(ルックスが苦手)
どうでもいいです。ところで女性アイドルの竹内まりや作品は数多くありますが、
デビュー曲となると前出の岡田有希子とご紹介する牧瀬里穂「Miracle Love」(オリコン最高位4位、
売上31.9万枚・初動11万!)です。歌の内容は、実はいつもそばにいた人が好きだったことに気付いた、
というティーンズPOPSの王道を行くまりやブランドです。メロディーはせつないメジャーベースで
全体的に清涼感が溢れています。ゆったりしたBメロから続くサビは緊張感のある音を使いながら
一瞬マイナー展開。クリシェ部分は音符を伸ばし最後はメジャーで終わる、
まさに日本人好みのしゃれたメロディーと言えましょう。
そしてメロディーを彩るアレンジは「リサの妖精伝説」や「ロコモーション・ドリーム」を手掛ける
小林”マイラバ゙”武史。ツクツッツッツッツクとシンバルを刻むシャッフルの打ち込み(?)物です。
今でも小林節で健在のギターのカッティングに、薄くもなく分厚くもない華やかなキーボードサウンドが
上品に仕上げています。ところでしゃれたコーラスが付いていますがまりや本人も参加しているの
でしょうか?。カラオケを聴いていると♪うーうぃーうー、などと所々バタ臭い声がするのですが…。
ボーカルといえばご存じの方も多いと思いますが、かなり味な部類です。
出だしのバックが静かな所など学校の音楽の授業中に唱歌を歌っているような合唱声で、
ここだけ全然声が違います。だんだん落ち着いてくるのかリラックスしてくるのが手に取る様に判ります。
でもこの曲は、歌が得意でない人でもこれだけ聴かせられる商品を作り出せるというお手本だと思います。
木目細かなTVプロモートをしていればあと10万枚は上積み出来たのではないでしょうか。
2曲目以降はあまり楽曲に恵まれず(あまりボーカルも成長もなかったし)歌手としてのキャリアを
諦めざるを得ませんでした。りえ・ありさと共に3Mとマスコミが騒いでた頃も今は昔です。
蛇足ですが、現在休養中の人気バンドのボーカルが昔インタビューで牧瀬里穂の大ファンだと
言っていました。なるほど写真誌で話題になったY嬢も頭の鉢が大きくて目がクリっとして
アゴが尖がっているもんね。筋が通っているわけだ(笑)。
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(from『Miracle Love』牧瀬里穂・CDS)


VOL.32 「リップスティック」 桜田淳子 (S53.6.5) <V>
作詞:松本隆/作曲・曲:筒美京平

先日秋田を旅行したのですが、秋田県出身の女性シンガーといえば藤あやこ?クリプトン?
河田純子? やはり一番はジュンコはジュンコでも“ニューヨークは恋の街〜”の
ジュンコ・サクラダではないでしょうか?。僕がジュンコをリアルタイムで思い出せるのは
S52年の「気まぐれヴィーナス」以降からです。
全盛が過ぎてアイドルからややアダルトへの転換を図っていた頃でしょうか。ご紹介する
「リップスティック」(オリコン最高位10位、売上19.6万枚)はオリコン最後のBEST10ソングです。
作詞はこれがシングル唯一の松本隆。彼の部屋に女がいたというポピュラーなシチュエーション。
でもはっきり言って前年リリースの「九月の雨」(太田裕美)の姉妹品です。
雨の中彼の部屋に向かうタクシーの中悲しみに暮れると「九月の雨」、雨の中山手線に乗り
綺麗に飾った自分からさよならを告げに行くと「リップスティック」。新しい女の笑い声で
気が付いた「九月の雨」に対して電話越しに対決するのがこの詞の新しさでしょうか。
作曲は「ひとり歩き」「もう戻れない」に次ぐ筒美京平。この曲ではアレンジも手掛けています。
スローで入り“フッフッ”のソウルフルなコーラスと共にテンポUP。
基調はマイナーのはずなのにメジャーコードが多い不思議なメロディーです。
2小節の動機が多い京平節の中4小節の動機を中心に展開して行きます。
グルーブのあるアレンジですがちょっと無理矢理な間奏が又たまりません。
ボーカルは結構ちりめんビブラート系でどちらかというと味わい深いジュンコ・サクラダですが、
気にする程もなく上手に歌っています。声質が細い分歌手としては長持ちせず近年は
女優としての評価が高かったジュンコ・サクラダですが、印象に残っているのはドリフ志村けんとの
夫婦コントです。“もう嫌いになったのね”とか何とかメゲた後に慰められ“ジュンコ幸せ〜”と
立ち直る他愛の無いものでしたが、子供ながらTVを見て笑っていたのを覚えています。
このコント受けするバイタリティーはサンミュージックの後輩松田聖子へと受け継がれました。
何かと話題を振りまき最近は影をひそめているジュンコ・サクラダ。でも楽曲には罪はありません。
曲の揃いが良いBEST盤CDのリリースが待ち望まれます。
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(from『全曲集』桜田淳子、他)


VOL.33 「ラブレター」 河合奈保子 (56.12.5) <C>
作詞:竜真知子/作曲:馬飼野康二/編曲:若草恵

結婚後TVドラマでも見なくなって、“ひたっちくん”(←日立信販)の紙広告ぐらいしか
お目に掛からなくなったナオナオこと河合奈保子ですが、いつの間にかママになって
ワイドショーに登場していました。そこで今回はナオナオのNHKホールの事故後復帰
第1弾シングル「ラブレター」を紹介します。「ラブレター」はオリコン最高位11位・
売上21.2万枚でした。ナオナオは結構珍しい11位ホルダーで「ヤング・ボーイ」と同様、
サビから無理矢理メジャーに転調する4th.シングル「17才」と
カスタネットの小道具が懐かしい「ムーンライト・キッス」もオリコン最高位11位でした。
作詞は「いちごの片想い」「もう一度逢えますか?」「サニーサイド・コネクション」等の竜真知子。
内容は情けないほどの片想いソングで8小節の頭サビでは♪好ーきーでーっすぅ〜言えないけど、と
連呼します。でも中サビ♪ためらい ライライ ラブレター、のアイドルの王道を行くキャッチーさは最高!。
続く♪なぜかふるえる ゆーびーさっきー、のメロとアレンジと振り付けのシンクロ具合は完璧です。
作曲は80年代前半筒美京平と共に大活躍した職業作家:馬飼野康二。
他には「艶姿ナミダ娘」「Love Light」等手掛けています。筒美京平と同様あれこれ仕掛けの多い
メロディーを書く人ですが、この曲はシンプルな作りになっています。
編曲は「難破船」・浜田朱里「想い出のセレナーデ」から演歌まで幅広い若草恵。
ボーカルは鼻声系ですが、堂々とした唄いっぷりに好感が持てます。気持ちナチュラル#系
だと思います。ヴィジュアルに目が奪われがちな人だった訳ですが、シンガーとしての才能は
かなりあるのではないでしょか?。自分で曲を書き始めて頭声を使い出してつまらなくなりましたが、
歌に専念すればまだまだイケるはずです。S55年組の中では松田聖子の次に成功したナオナオですが、
竹内まりや作「けんかをやめて」「Invitation」・来生たかお作「疑問符」などありますが、
聖子・芳恵・良美に比べて職業作家を起用する比率が高かったのが最大の違いでありましょう。
またグラマラスな割には年相応の歌を歌ってもあまり色気を感じさせない不思議なキャラクターの
持ち主でもあります。清純派ぶりは出産後の退院会見でも健在でした。
しばらくは育児に専念するそうですがシンガー河合奈保子の復活を期待したいところです。
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(from『コレクション』河合奈保子、他)


VOL.34 「最後に教えて」 田村英里子 (H4.5.1) <TO>
作詞:喜多条忠/作曲:浜田省吾/編曲:船山基紀

デビュー曲はテレビ東京でアニメも制作されアイドルとして恵まれた環境の中
華々しくスタートを切り、マルシアとレコ大を争い敗れた3rdシングル「真剣」までは歌声も
楽曲も可愛らしい路線を歩んでいましたが、年明けの「プロセス」辺りから余裕が出て来たのか
歌声に色香が漂い始めました。さわやかなメジャーの曲でも何処か色っぽく仕上がっています。
特徴としては“あ段”や“ん”の発音に入る所やビブラート掛け終わった後の息の抜け具合、
勿論しゃくりあげといった所の色気だと思います。その最たる物が「誘惑のチャチャ」でしょう。
大場久美子の流れを受け継ぐ東芝ラテン歌謡曲路線に過剰な色気が振りまかれています。
サンミュージック伝統のタヌキ顔にグラマラスなBODY。セクシーな写真で話題にもなりましたが、
本人にはギャップがあったのでしょうか後のインタビューでの“アイドルにはなれない”発言が
目立ちました。紆余曲折、歌手としてのピークが遠くなった頃リリースされたのが
僕がお薦めする「最後に教えて」。肩の力が抜けた彼女にぴったりのシングルです。
作詞は「青春気流」「ひとり街角」等の三浦徳子。テーマ自体はありがちな終わろうとしている
男女関係を歌った物ですが、“あんた”“バカヤロー”といった言葉遣いに大人になった
エリリンを感じさせます。作・編曲は「小娘ハートブレイク」「タンポポの草原」等の井上ヨシマサ。
でも個人的には「最後に教えて」は前年の中山美穂「ROSA」の続編だと思っています。
「ROSA」をグランドビート(?)で深化させたサウンドです。前半のAメロは言葉数少なく、
サビから切なく畳み掛ける構成になっています。ただ残念なのはぐっと来るサビのメロディー
なのですが地味なこと。ここでスカっと抜けられたら最高だったのですが…。
ボーカルは前述した通りですが、楽曲と年齢と声がやっとフィットして良い具合になって来た時には
歌手活動がはかどらないのは勿体無いです。先輩のりPのようにドラマ主演&主題歌で
ブレイクする日は来るのでしょうか?。アイドル時代にもう少し知名度をあげられたら潰しも利くのに。
ボーカリストとして素質は十分だけに惜しい存在です。
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(from『少女でいられたら』田村英里子、他)


VOL.35 「片思い」 Jungle Smile (H9.3.21) <V>
作詞:高木郁乃・芹沢類/作曲:吉田功/編曲:吉田功・小森茂生

たまには先取りで、今回ご紹介するのは2ヶ月経ってジワジワチャートを上昇中の
Jungle Smile「片思い」です。この曲との出会いは「CDTV」月イチTOP100で流れたほんの数秒の
プロモーションビデオです。映像はもう忘れましたが、切な〜くなるよなメロディーにひかれました。
そして旅先の青森のホテルで朝つけたTVから流れて来たり、
有線で2回ほど聴いたりしてこれはご縁があるなとCDSを買いました。メンバーは高木郁乃と
吉田功の二人で、紗が掛かりまくったジャケット写真から想像すると女性のルックスはあまり…。
解り易く言えば金髪ショートカットの宝生舞がびっくりしちゃったような感じです(井上望にも似てるかも)。
裏ジャケにYANAHAそしてMUSIC QUESTの文字が入っているのでオーディションから出て来た
人の様です。作詞は高木郁乃と芹沢類(守谷香「予告編」やアイドルのアルバムでよく見かける)の合作。
テーマはタイトルそのままの“片思い”。堪えきれずに告白してしまったけれど願い叶わず、
今まで通りの友達でいられたら…。気持ちの整理がつくまでそっとしておいて、ってな内容です。
作曲は吉田功。気持ちスローな頭サビから入り、Tempo upしてメジャーのゆったりしたAメロへ。
Bメロは洒落たコードを使いながらマイナーへ行くぞ行くぞと思わせぶりに展開してマイナーの
頭サビへと繋がります。基調はメジャーですが、このマイナーの混ざり具合がとてもGoodです。
編曲は吉田功と小森茂生(←誰?)。パーカッションでAsa-chang(確か市井由理のアルバム辺りで
見たような…)が参加しているせいかリズム隊には色んな音が響いています。
ボーカルは凄く上手だとは思いませんが、耳に馴染み易いさわやかな声質だと思います
(鈴木蘭々をスッキリさせたような感じ)。ただ曲の内容のせいか語尾やブレス等、
全体的に「泣き」が入っています。八の字眉に瞳をうるうるさせながら手を前に差し出して
絶唱する姿が目に浮かぶようです。サビのハーモニーが一瞬カズンを思わせますが
Jungle Smileの方が毒も色気もありそうです。残念なのはややバックがうるさいこと。
とてもきれいなメロディーなので、もう少しボーカルを目立たせた方が良いのでは。
VOL035.JPG - 2,611BYTES
(from『片想い』Jungle Smile・CDS)